Webディレクターから見たSEOディレクターとの違い

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以前、あるSEOディレクターの求人票を眺めていて、手が止まったことがあります。

「キーワード戦略の立案」「テクニカルSEOの改善提案」「ライターへのディレクション」……。書かれている業務は、正直なところ自分が普段やっているWebディレクションの仕事とかなり重なって見えたのです。

「これって、私の仕事と何が違うんだろう?」

そう感じたのは、私だけではないはずです。逆に、部下から「SEOディレクターへの転職を考えている」と相談されたとき、うまく言葉で違いを説明できなかったこともありました。似ているようで、実は目的も評価される軸も違う。この記事では、Webディレクター歴15年以上の実務者として、SEOディレクターとの違いを整理し、「自分はどちらに向いているのか」を考えるための判断軸をお伝えします。

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SEOディレクターとWebディレクター、何が違うのか

Webディレクターは「サイト制作全体」の責任者

Webディレクターの仕事は、Webサイトという「箱」を無事に完成させることです。クライアントへのヒアリングから始まり、要件定義、デザイン・システムのディレクション、スケジュール管理、品質管理まで、公開に至るすべての工程に責任を持ちます。

関わる人も、デザイナー・エンジニア・ライターと幅広く、専門分野を横断して調整する力が求められる仕事です。

SEOディレクターは「検索での成果」に特化した専門職

一方でSEOディレクターは、サイトが公開された後、検索結果で上位表示され、狙った集客が実現できるかに責任を持つ専門職です。

キーワード戦略の立案、競合分析、コンテンツの品質管理、公開後の効果検証とリライトの指揮など、業務の起点も終点も「検索での成果」に置かれています。Webディレクターのように制作全体を俯瞰するというより、集客という一点を深く掘り下げる役割といえます。

一言でいうと「箱を作る人」と「箱に人を呼び込む仕組みを作る人」

乱暴に一言でまとめるなら、Webディレクターは箱を作る人、SEOディレクターはその箱に人を呼び込む仕組みを作る人です。

どちらが上か下かという話ではなく、見ている時間軸とゴールが違う、と捉えるとしっくりくると思います。Webディレクターは「公開まで」、SEOディレクターは「公開してから、成果が出るまで」に重心があります。

なお、SEOの基礎的な考え方そのものについては、以前「今さら聞けない『SEOって何?』」で解説していますので、そちらもあわせてご覧ください。

今さら聞けない「SEOって何?」Webディレクターが最初に知っておきたい基本
「SEOって何?」を人に説明できないWebディレクターへ。専門家に任せていい部分と、自分で判断すべき部分の切り分け方を、新人時代の失敗談を交えて解説。SEOの基本用語もこれ一本で理解できます。

現場でよくある「肩書きと実態のズレ」

ここまでは教科書的な整理ですが、現場ではもっとグラデーションのある話になります。私がこれまで見てきた「あるある」を3つ紹介します。

Webディレクターなのに、SEO業務まで一人で抱えているケース

小規模な制作会社や事業会社では、専任のSEOディレクターを置く余裕がなく、Webディレクターがキーワード選定からリライトの指示まで担っていることが珍しくありません。肩書きはWebディレクターでも、実態はほぼSEOディレクター、という状態です。

SEOディレクター求人なのに、実質Webディレクター並みの範囲を求められるケース

逆に、SEOディレクターとして採用されたのに、デザインの確認やスケジュール管理、クライアント折衝までまるごと任されるケースもあります。求人票の肩書きだけで業務範囲を判断するのは危険だと感じる場面です。

会社の規模によって呼び方も業務範囲も変わる現実

大手企業では役割が明確に分業されている一方、中小企業ではひとりが複数の役割を兼ねることが多くなります。「うちの会社ではSEOディレクターと呼んでいるが、実態はWebディレクター」というケースもあれば、その逆もあります。転職や案件選びの際は、肩書きよりも実際の業務範囲を確認することをおすすめします。

自分はどちらに向いているか、3つの判断軸

肩書きの違いが分かったところで、次に気になるのは「自分はどちらに向いているのか」だと思います。私は次の3つの軸で考えることをおすすめしています。

判断軸Webディレクター向きSEOディレクター向き
ゴールへの興味サイトを完成させる達成感を重視する公開後、数値が伸びていく過程に興味がある
得意なこと幅広い関係者との調整・橋渡しデータを読み解き、仮説を立てて深掘りする
キャリアの方向性マネジメント・プロジェクト全体の統括特定領域の専門性を高める・数字で成果を示す

軸①:ゴールへの興味が「完成」か「成果の継続」か

サイトが公開された瞬間に達成感を感じるタイプか、公開後の数値の変化を追いかけるほうがワクワクするタイプか。この違いは、日々のモチベーションに直結します。

軸②:得意なのは「幅広い調整」か「数値に基づく深掘り」か

デザイナーやエンジニアなど、異なる専門性を持つ人たちの橋渡しが得意なら、Webディレクターの適性が高いといえます。一方、アクセス解析やサーチコンソールのデータを見て、仮説を立てて検証するプロセスに面白さを感じるなら、SEOディレクターの適性があるかもしれません。

軸③:キャリアの方向性が「マネジメント」か「専門特化」か

将来的にプロジェクト全体を統括するマネジメント職を目指すのか、特定領域の専門性を武器にしていくのか。長期的なキャリアの方向性によっても、どちらの経験を積むべきかが変わってきます。

キャリアチェンジを考えるなら知っておきたいこと

WebディレクターからSEOディレクターへ移る場合

Webディレクターとして培った進行管理・コミュニケーション力は、SEOディレクターになっても十分活かせます。不足しがちなのは、アクセス解析やキーワード戦略といったデータ分析の知見です。実務の中で少しずつ担当領域を広げていくか、独学で分析スキルを補っていくのが現実的な進め方です。

SEOディレクターからWebディレクターへ移る場合

逆にSEOディレクターの経験がある方は、検索エンジンの評価軸を理解しているぶん、品質管理の面で強みを発揮できます。一方で、デザインやシステムなど、SEO以外の制作工程全体を俯瞰する経験は意識して積んでいく必要があります。

年収・求人動向は要チェック

年収や需要は、会社の規模や担当範囲によって差が大きく、一概には言えないのが実情です。転職や案件選びの際は、求人票の年収レンジだけでなく、実際の業務範囲までヒアリングして判断することをおすすめします。

まとめ

SEOディレクターとWebディレクターは、似ているようで見ている時間軸とゴールが違う仕事です。肩書きだけで判断せず、実際の業務範囲と、自分がどちらのゴールにワクワクするかを基準に考えてみてください。今の仕事の延長線上にどちらの未来があるか、一度立ち止まって考えるきっかけになれば幸いです。

ディレ和尚のひとこと

肩書きに惑わされず、己の心が動く方へ進むべし。

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プロフィール
この記事を書いた人
ディレ和尚

Webディレクター
業界歴15年以上のキャリアの中で、多数の業種のクライアント様のサイト・サービス・アプリなどの制作・開発に携わってきています。
その中で、Webディレクターという職種に関する情報やヒントが少ないと感じ、このお仕事ならでは悩みを解決できるきっかけになるような内容を発信していきます。

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